教員の長時間労働や各地の学校での教員不足が問題となるなか、文部科学省は22日、質の高い人材の確保に向け、教員の給与アップや学校の働き方改革の具体策について本格的に議論を始めた。自民党が今月、公立学校の教員に残業代を支払わない仕組みを維持しつつ、基本給に一定額を上乗せする「教職調整額」を増やす提言をまとめており、検討の軸になる。
永岡桂子文科相が同日、中央教育審議会(文科相の諮問機関)に対し、処遇改善▽働き方改革▽学校の体制充実――の3点についての検討を諮問。中教審は今後、特別部会で議論し、答申の形で具体策をまとめる。文科省は2025年通常国会での制度改正を視野に入れている。
公立学校の教員には、いわゆる「残業代」は支給されない。その代わり、「教員給与特措法」(給特法)に基づき、基本給の4%分が「教職調整額」として上乗せ支給されている。
自民党の特命委員会(会長=萩生田光一・政調会長)が今月10日にまとめた提言には、教職調整額の支給比率を4%から10%以上に引き上げる案が入った。国費で690億円かかる。給特法の改正案を24年度中に国会に提出することも盛り込まれた。
残業代が支払われない今の仕組みは「定額働かせ放題」とも批判されており、残業代を支給する形への制度改正を求める意見もある。中教審では、残業代支給の可否も議論になる見通し。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル